森の中の 湖(うみ)のほとり 響くヒトの歌声
悲しい歌 あなたの声 水底で聞いていた
揺らぐはずのない心 その声で目覚め
幼子の 恋のよに 外界(そと)を求め慕う
揺れる木々が 歌う姿 闇の中に隠して
この場所から 見えるものは 寂しげな黒い影
水の流れ 太古からの掟 私に告げる
「千の年を 生きし子よ 姿見らるる勿れ」と
水に棲む 妖(あやかし)に 地に生きる術なく
陸に棲む ヒトらに 我ら認める術なし
見つめあって 声絡ませ 二人歌歌う夢
罪と知れど 心まかせ 岸辺をただ目指して
森の中の 湖(うみ)のほとり 二つ混ざる歌声
切なる歌 二人の声 木々を縫い木霊する
仮初めの 幸福さえ 我が祖は許さず
微笑んだあなたの顔 虚空へと消え果てた
失うのは この命 それだけで良かったのに
ただ清らな 水は憎く 私は闇へ溶けた
(ウタウ アナタノ ウタ)
妖恋歌(あやかしこいうた)
EVIさんによる「ワルツ ハ短調(Long ver.)」http://piapro.jp/a/content/?id=ypl8b3niiemyzi4rへの投稿歌詞です。
夜な夜な森に歌声が響く、という怪談チックな物語の背景として考えてみました。EVIさん、楽しく創作させて頂きましてありがとうございます!
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