A
どこからか
「いじめないでよ」
「助けて」
って声が聞こえてくる
気になって
声の聞こえる場所に
行ってみると
そこには酷い人達がいた
B
小さな猫を囲んで
石を投げて
遊んでいたんだ
僕はそれが許せなかった
でも心とは反対に
足が楠んで動かない
あんなことやめさせたいのに
何もできないんだ
S
苦しんでる猫を
ただ僕は何もできないで
見ていることしか
できなかった
気づいたら
走り出していて
僕は逃げてた
こんな僕は弱虫だ
A
猫が気になって
猫がいた場所に向かった
怖くて猫は無事なのか
なかなか確かめられなかった
僕の視線の先には
ぽつんと一匹の猫が
冷たくなって
倒れていた
B
僕は最低だ
助けられなかった
逃げてしまった
そんな僕が憎くて
酷い僕が
許せなくて
僕が身代わりに
なればよかったんだ
S
小さな猫を
抱き抱える腕が
震えていたんだ
謝っても謝りきれなくて
ごめんね、ごめんねって
たくさん言ったんだ
猫は何も返事をせずに
僕を見てる気がした
S
次にこんな苦しくて
悲しい思いをする
猫がいないように
僕が
助けよう
あの時楠んでしまった
足を今度はたくさん
動かして守るんだ
大好きな猫を
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