町外れの森にある
とても古い 洋服屋さん
「あなた頑張りすぎだから
ボタンを1つ外してみない?」
お店を営む おばあさんはそう言うと
お客さんの肩を撫でた
窮屈なあなたを見ると
胸が苦しくなるの
寸法の違う人生を
私に直させて下さい
「このお店に可愛い服は無いけど
待ってる」
町外れの森にある
人の来ない 洋服屋さん
「柄だらけの服をやめ
素直なあなた 見せてみませんか?」
若い女性は涙を流しながら
ただ自分の首飾りを強く握り締めていた。
おばあさんはその手を優しく握り
何を言わず
透き通るような白さのワンピースとハンカチを渡した
「次の恋が今度も泣くような恋なら
ここに来て」
このお店で買った服を来て鏡の前で笑うの
次に進めたらもう来ないでね
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