【結月ゆかり】ゆかりちゃんと春の静謐【オリジナル】
穏やかな風。花を揺らしている
今、遠く遙かなる大地が震えて叫ぶ
腐り落ちてゆく無聊な日々だ
少年は言う。「退屈な騒擾にせめて喜びを」
別れの季節を嫌う。小さな掌風を掴んだ
灰色の空。窓の外に見える景色に飽きた
少女は時計の針を回して地下から抜けだしていた
梟雄を好く人の世界の中で息が詰まった
全てが綺麗に見えた?それはきっと春のせいさ
覚めない夢。愚かな事だと知る
春は今全て終わらせて笑っているのさ
ほらまた君の隣で
雑踏の猫口を閉ざして
興味の失せた場所を立ち去る
僕たちはずっと飽きもしないで
同じ所で立ち尽くして
雨上がり静謐な時の中で目を閉じた
空にかかる虹の色をずっと暗闇に映していた
覚めない夢。愚かな事だと知る
春は今全て終わらせて笑っているのさ
ほらまた君の隣で
暖かな陽を浴びて歩き出す春の午後
巡る時の優しさの中、一輪の花が咲いている
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