(A)
―午後10時 少し過ぎ
窓を覗けば 煌めく星
片手には ミルクティー
冷めそうで 飲み干した
(B)
コップの底には 砂糖
溶けきれてなかったみたい
混ざり合う ものもなくて
行き場がなくなってしまった
(サビ)
まるであたしみたいじゃない?
いくら居たくても届かない
そんな時はすぐにあなたの
-声-が聴きたくなるの
「電話していい?」
「今すぐ逢いたい」
ちょっと我慢して 飲み込んだ
*
(A)
お昼時 少し前
窓を覗けば 眩しい太陽
ポケットに 乗車券入れて
急ぎ足で 家を出る
(B)
バス停には女の子が一人
そわそわしながら 待ってた
一台到着 と同時に
降りてきた彼が笑顔を向ける
(サビ)
まるであなたみたいじゃない?
あたしが落ち込んでても
無茶なお願いしても
素敵な笑顔たくさんくれる
「手を繋いでいい?」
「寄り添いたい」
ちょっと我慢して 飲み込んだ
*
(B)
しばらくバスに揺られ
到着のアナウンス
目指すは あなたの待つ
「電車乗り場 中央口!」
(サビ)
仲良さそうに歩いてる
見知らぬ二人の横をすり抜け
だんだんと歩くスピード
あなたに向けて早まる
『今どのあたり?』
「手前の高架下」
電話にぎりしめ 逢いたくて―
ここでおしまい“私”の話
続きはもうわかるでしょ?
私とあたし 君とあなた
そうこれは“私たちのお話”
「ミルクティー飲む?」
「甘めのやつで」
今度は砂糖もしっかり混ぜるね
**読み**
―ごごじゅうじ すこしすぎ
まどをのぞけば きらめくほし
かたてには みるくてぃー
さめそうで のみほした
こっぷのそこには さとう
とけきれてなかったみたい
まざりあう ものもなくて
いきばがなくなってしまった
まるであたしみたいじゃない?
いくらいたくてもとどかない
そんなときはすぐにあなたの
-こえ-がききたくなるの
「でんわしていい?」
「いますぐあいたい」
ちょっとがまんして のみこんだ
*
おひるどき すこしまえ
まどをのぞけば まぶしいたいよう
ぽけっとに じょうしゃけんいれて
いそぎあしで いえをでる
バス停にはおんなのこがひとり
そわそわしながら まってた
いちだいとうちゃく とどうじに
おりてきたかれがえがおをむける
まるであなたみたいじゃない?
あたしがおちこんでても
むちゃなおねがいしても
すてきなえがおたくさんくれる
「てをつないでいい?」
「よりそいたい」
ちょっとがまんして のみこんだ
*
しばらくばすにゆられ
とうちゃくのあなうんす
めぜすは あなたのまつ
「でんしゃのりば ちゅうおうぐち!」
なかよさそうにあるいてる
みしらぬふたりのよこをすりぬけ
だんだんとあるくすぴーど
あなたにむけてはやまる
『いまどのあたり?』
「てまえのこうかした」
でんわにぎりしめ あいたくて―
ここでおしまい“わたし”のはなし
つづきはもうわかるでしょ?
わたしとあたし きみとあなた
そうこれは“わたしたちのおはなし”
「みるくてぃーのむ?」
「あまめのやつで」
こんどはさとうもしっかりまぜるね
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