左様なら


苦し紛れに 飛ばしたインキ
星になる日は 来ないだろう
外套(いんばねす)の下 隠した封筒
中には 何を入れたのだったか

目的地も未だ 決めかねている
出版社の屋根(るうふ) あなたの瞳と同じ色

駆け出す程の勇気は無いので
ペンを執ると云う 現実逃避
七年越しの 片想いでは
紙面に起こす勇気すら無いが

「吁」とも書けぬ


その惨酷さも 知らないで
月が綺麗と 呟くあなた
悟られまいと 俯く自分は
嘸かし 奇怪に見えただろうか

絶ち切らんとした その夜に限って
また逢瀬の夢 もう止めて戴きたく sorrow

飛び出す程の度胸も無いので
此処に居ると云う 責任転嫁
六年越しでも 変わらぬあなたに
恐怖を覚えたのも事実だった

「厭」とも思えず


吁、何度諦めやうとしたでせう。
一層知らぬ処に行ってゐたなら、
永く想ふも、無かっただらうに。
是では、厭にもなれませぬ。


涙を流す余裕も無いので
バスに飛び乗り 四面楚歌
八年越しの想いを 郵便箱(ぽすと)へ
往き着く先は あの屋根だが

「喝」とは言わせぬ

さあ 別れの文句を用意せよ
目の前の赤に 五体投地
この詩が あなたの目に触れたなら
どうか わたしを
厭(きら)って下さい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

書生の夢と片想考

【読み補足】
片想考→ろまんすこう
未だ→まだ
吁→ああ
嘸かし→さぞかし
厭→いや
一層→いっそ
是→これ

「片想」を「ろまんす」と読むのはタイトルだけです。あらゆるものが無理矢理なのは仕様という事で;

今回、初めて時系列のある&恋愛絡みの詞を書きました。
うわぁーお色んな意味で小っ恥ずかしいですな…

しかしまあこれも、少しでもレトロな感じが出せていれば幸いです

※追記:「候」→「sorrow」に変更。
うーん…w

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投稿日:2009/11/02 01:07:15

文字数:536文字

カテゴリ:歌詞

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