たまにそう思うのだ
たまにふと思うのだ
いっそ消えてしまいたいと
たまにそう思うのだ
馬鹿でいなけりゃいけないが

どうか　どうか
私の名前を呼ぶその声で
蝋燭を消してはくれないか

ふっ

頭が痛む
脳は生に縋ると言うのか
頭が痛む　頭が痛む
腕の震えは確かに正常だ
ああ、頭が痛む

いまだにそう思うのだ
いまだにふと思うのだ
いっそ消えてしまいたいと
いまだにそう思うのだ
馬鹿でいたけりゃ逃げないと

どうか　どうか
醜く歪んだこの、この顔を
笑い飛ばしてはくれないか

ふっ

胸が痛む
底は生を求めているのか
胸が痛む　胸が痛む
足の鎖は確かに幻覚だ
ああ、胸が痛む

きっと理解できない事だろう
それでもいい
馬鹿な事を考えていると笑い飛ばしてくれ

ふっ

ずっと答えは出ない事だろう
それしかない
蝋燭の揺らぎのように答えはまた揺らぎだす

ふっ

恐怖で殺された声が嗚咽を上げる

ふっ　

ふっ　

ふっ

今日もこの腕は死から逃げて
今日もこの喉は死んだ涙を
叫んでいる

ふっ