煌めいた星ひとつ
散りゆく花びら、月水面
名も無き花
静かに舞い落ちて
木漏れ日、眠る歌声は そっと色をつけていく
あか、あお、きいろに、といろ
言の葉に染まる歌
瞬く間にひとまわり
萌ゆる緑に、告げる紅
瞼を撫でた指先は 蕾をほころばせて
花から花へと遊ぶ蝶
囀る小鳥、花霞
東風に愛でられ梅の花
我らは喜び、共に歌う
ひらひらと落ちていく ひとひらの春
淡い桃色とけていく
ふたりなら きらきら舞う花となって
はしゃいだ声ふたつ
跳ねて響いた、影の中
懐かしき春
なびいた髪揺らめいて
色のない風が吹いたのは 丸く白い月の夜
おぼろの羽衣飛んだのは ふたりだけの夜
六花とよく似た花びらは 清廉、艶やかな薫りを含み
吹き付ける風は 強くこの身を震わせて
はがれていくの、ぽろぽろと
ひとつひとつ、はらはらと
痛み、優しさ、寂しさも
残ったものは、かけらでも
どこかへと落ちていく ひとひらの春
駆けた夜の向こうへも
ふたりなら 満ち足りた光になって
煌めいた星ひとつ
散りゆく花びら、月水面
名も無き花
静かに舞い落ちて
巡り巡って繰り返す
新しき春の足音を奏でて
ひとりひとりで祈るなら
一縷、一度の希叶えたまえ
ほどけた指繋ぎ合わせて
君と紡ぎし歌声、縁となれ
とめどなくめまぐるしい刹那の願いは 刻を越えて
どうか覚えていて ひとひらの春
優雅な花びらの舞い
重ねた掌ひとひらでも春
数多の時を越えて、尚愛され芽吹いた我らの名を
飛翔の花
咲きこぼれて、今ここに
花翔 -hanakakeru-
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