
氷点下2℃の空に
最後の声 優しい嘘
何てことないやり取り
やっと絞り出す 息白く
頬をなぞる潮風 少し震えながら
ポケットの中 温もりを探す
いつかみたいに舞い散る雪
枯れ木に咲いた不香の花
取り残された手触り 真冬の匂い
あなたが溶かしてくれること
今も期待してしまうけど
過ぎ行く街の光りは
まだ滲んで見えて
氷点下2℃の空に
駆け引きなど 虚しくなる
見え透いたような強がり
ぎゅっと唇を噛み締めた
積み重ねた日々まで 崩れ去る気がして
肩の雪さえ 払えないでいる
彩りを失くした世界で
雪解けを待つ不香の花
置き去りにされたままの あなたの匂い
春の訪れを告げる声
聞こえない振り 耳を塞ぐ
行き場のない指先は
まだ冷たいままで
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