恋愛小説家の憂鬱

ありきたりのストーリー
書き綴れば宵も更けてゆく
擬人化して美化して
鏡に映すでしょう

浮かばれず憂う女と
取り留めない男と
蚊帳の外でわたしは
行き場もなく幕引く

物語は予想通り
可もなく不可もなくやるせない
容赦なくナイフで切り裂く手段
演じさせるでしょう

煽てられて盛り上げて
傷をえぐるようにしたためて
映画化して描画して
嘘つきになるでしょう

賞取りレースの真最中
したり顔 担当者に
押し出された壇上で
女優気取り気もそぞろ

物語は佳境を迎え
手にしたペン先が嘲笑う
興醒めのオーディエンス
失笑の警備員
居場所に困るでしょう

浮かばれず憂う女と
取り留めない男と
蚊帳の外でわたしは
行き場もなく幕引く

物語は予想通り
可もなく不可もなくやるせない
容赦なくナイフで切り裂く手段
演じさせるでしょう

物語は予想通り
読者は涙して書を閉じる
泣いた主人公これでお相子
架空の物語り

実話に基づいた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

恋愛小説家の憂鬱(歌詞)

閲覧数:1,402

投稿日:2011/02/27 17:33:15

文字数:423文字

カテゴリ:歌詞

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