『自転車通学』
作詞:栖夏
学校の敷地内から
出た時は
既に朱が消えてた
風とすれ違いざまに
前髪を睨まれて
睨み返したところ
何も起こらなかった
通学路から外れた
普段は使わない道
裏ルートを使う僕
善良な犯罪者の気分
通りに聳え立つマンションの
隙間から逃げる蒼い光
あの間をくぐれば
僕はまた頑張れるだろう
黄昏時の
一瞬を見つけれたら
「じゃあまた明日ね。」と
言われても哀しくない
一番星がまだ
かくれんぼしてるなら
雲に向かって尋ねるよ
「幸せはまだお預け?」
藍から紺に
変身する空模様を
追いかけて 追いかけて
最期を見届けた
いくらペダルを
こぎ続けたところで
日暮れには逆らえない
僕は気付いた
街灯に照らされた
反射板は映し出す
景色が移り変わり
止まらない実状を
自分の影を
見失ってしまい
僕の正しい行いは
姿をくらました
気が付けば
前輪と後輪で
僕は自身の影を
轢いてしまっていたよ
ごめんね、僕の影。
黄昏時の
一瞬を見つけれたら
「じゃあまた明日ね。」と
言われても哀しくない
一番星がまだ
かくれんぼしてるなら
雲に向かって尋ねるよ
「幸せはまだお預け?」
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