降り注ぐ陽の君は笑顔で僕にいう
いってきますはさよならの合図
夏に溶けていった後ろ姿

ひぐらし鳴いてもドアは開かず
月がこっちを凝視する
裸足の僕は待つことしか出来ない

時計の針は止まり出す

どうしてどうして君は帰ってこないの
雨も降ってないのに赤い傘は飛んでいく
揺れた手の平忘れられなくて
いつも僕はドアの前


降り始めた雨が私のにおい洗い流して
忽然と消えた帰り道
振り返れない電柱の陰

鈴虫鳴いてもドアは開けず
月は何色?分からないわ
薬品のにおいで逃げることも出来ない

時計の針は止まらない


どうしてどうしていやだやめてよ
家に帰りたいのに血が止まらないのよ
残してきた瞳忘れられなくて
まぶたの裏に焼き付く


浸ってくホルマリンと
裸足のままの僕
君は大丈夫かな…?


どうしてどうして帰ってこないの
ガラスで怪我して
君の名前を叫ぶよ

どうしてどうしていやだやめてよ
腕から順番
玩具になってく

駆け出した僕間に合えばいい
二度とドアを開けなくとも

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ドアが開かない(仮)

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投稿日:2011/10/10 01:56:57

文字数:444文字

カテゴリ:その他

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