死恋記念日 (シニコイキネンビ)


空気の澄んだ秋晴れ
こんな日はあの日を思い出す
ハナマルをつけた11月16日(いちいちいちろく)
なんとなく少しオシャレした
お気に入りの赤いスカートに
ショートブーツをコツコツ鳴らして
いい１日のはじまりだ、おはよう

今日も彼氏がかっこいい
私の元気はフルチャージ
単純だなって思った？ だって恋する乙女だもん
惹かれあってからはや１年
表情(かお)で全部バレたらしい

好きだって言ってくれた 真剣な顔も
ちょっと照れくさそうに笑った横顔も
ずっとずっと大好きでした ありがとう

互いに理解しあってる みてよあの夫婦感
そんな冷やかしだって まんざらでもない
別々の時間が増えた 私たち
そのぶん夜は 2人の世界でひとりじめ

だんだんすれ違う日が増えてきた？
でも私たちなら大丈夫よね？
幸せな時はつかの間 歯車たちが狂いだす

ある日私は気づいてしまった
こころがはちきれそうだ
気づかないふりしたかった
でももうあの頃には戻れない
可愛いあの子が相手なら 私なんかに勝ち目はない
これが最後の彼女の仕事だ 愛おしい彼を見つめた

"気づかないと思った？
表情(かお)で全部バレバレだよ(笑)"

今日は私の恋が死んだ記念日
いつのまにか終わっていたんだ 私たち
澄んだ秋晴れの風が 頬の筋を乾かしていく
"好きだったで終われて幸せです
今までどうもありがとう、
あの子の所へ行ってきな"
この強がりもバレてるのかな
バイバイ 私の恋心

11月16日、幸せの終わる日(ハッピーエンド)