樹に10年住んでいないのにどうしてみんな金持ち？
水に10年住んでいないのにどうしてみんな歩ける？
ゴキブリなんか食べていないのにどうして僕らは笑えるの？
こういう話もみんなはどうして真剣に聞いていられるの……

目が覚めたときに枕はなかった
納豆の中にネギなどなかった
「生きている」意識など薄かった
それでも僕にはこれしかなかった

なんで君は笑えてる？
なんで僕は泣いている？
「君はバカだね」
なんでそんなこと言い切れる？

今気づいた
今気づいたんだけど
ここは本当にいつもいないところで
僕は本当に僕なだけが……確かなんだな

僕みたいな人はいない
そんな世界に飛ばされてたんだ
正気と末期がクロスして
基準の違うドーム上で泣くの

木の下　目の上　胃の中のゴリラ
1キロ歩いた先には区役所
38秒に1ミリでしか
走れない僕の価値観
新幹線と同じスピードで
進んでる君の価値観
「一周回ってこっちが早い」と
擁護できるのは僕だけだ

今君が言った「なんで？」って言う
口を砕く力なら抉られた
僻んでないと改めて否定
できるのも孤独を埋められない僕だけだ…

なんでできないの？
なんでできないの？
なんでできないの？
なんでできないの？？？
ねえ、君こそなんでそれしか言えないの？

僕は「なんで」と言う言葉が好きだった
今は「なんで」と言う言葉が嫌だよ
それでも僕らは手と手を繋いだ鎖が手から外れた
君は判った僕は嬉しかった
合わないから手を離したんだって
寂しいけど世界が戻ったら
なんて矛盾を僕は夢見るよ

とんかつは飲み物
薬は食べ物
石油はソース
人間はロボット？
おかしな僕でも生きている理由もなんだって

わからないからもう求めない
それでも空いた口は閉じない
「なんで」って聞く人もいないから
少し楽しい世界の終わり
待つために生きる

これは夢だろ僕
また「なんで？」って聞く人がいても
もう泣かないよ僕
いつか定位置に寝てるだろ僕
まともなお母さんが起こしてくれるだろ僕って
思うから今なら思えるから
「なんで？」もない今を生きてるんだ