世界は狭くて
異なるものを恐れていた
ただ二人
手を繋ぎあって生まれた
それだけの話
だけど後から生まれた
あの子は 悪魔の子
15歳の誕生日
禁止されていた外の世界
見たくて外に飛び出した
街の人 驚いた
赤ん坊の頃 君は確かに
捨てられた 川に流されたのに
母親は捨てきれず
人形を布にくるんで
街の人々の目の前で
川に流したと
泣きながら謝った
忌むべき存在
双子は悪魔の子
片割れを 殺しましょう
逃げなさい
母は叫ぶ
忌むべき双子 逃げ回る
手を繋ぎあって
それでもとうとう囲まれて
双子 土に帰ったよ
『守ってあげる。私が』
姉は呟いた
優しい青の色に包まれた
苔むした森の奥
貴方と私の名を刻んだ墓標
半壊した神殿
眠る妹
謡う姉
『世界はひとつ
それでいい
なにも望まない
貴方と私
双虚なの』
だけど二人の世界
望まぬ者がいた。
世界のどこかに生まれた二人の世界
誰かが
壊しに来たよ
『望むべきではない世界
目を覚ませルティア
お前は お前は』
姉の名を知るその男
彼は何者なのか
ああ
思い出してはいけない
姉は静かに、瞳を閉じた。
そう
思い出してはいけない
思い出してしまったら
私達は
私達は
私達は――――
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