日々の霧の向こう
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こちら完成品
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「日々の霧の向こう」
冷たい風が耳を切り裂いた。
もう、失くしたものも忘れ去るだろう。
ポケットに突っ込んだ手で握るものはもうない。
愛しい日々に別れを告げれば、隠した想いも置き去りのまま、だ。
笑っていたのは日々の濃い霧の、見えない向こう側だろう。
吐く息は凍って、アスファルトにぶつかる。
私は目をつぶって歩いてる。
誰かにぶつかるのを待ってる。
まぶた越しの灰色、靴底の向こうの道路。
いつか来るその日を。
倒れ込む日を夢見てる。
私の足跡は風に吹かれて消える。
それでも何か残るものがあるとして。
耳を澄ますから、冷たい風が連れ去るその音を聞かせて欲しい。
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