ジャケット

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その程度の革命

ロックナンバーを作りたくて作曲。
事実を淡々と語るような詞にしたくて、amazarashiのスピードと摩擦を参考に
歌詞を書きました。
力強い系の女性ボーカルに歌ってほしい。

歌詞

静寂の表路地、眠っている鶏。
紫の街を裂き、進む人たち。
勝利を確信して、しかしまだ不安で。
拳を強く握って、向かう。中枢へ。

数々の圧政に終に反旗を翻して、やっと待ち望んだ黎明。

手の武器を突き上げて、皆が天に叫んだ歌。
その偉大な狂気を止める者などいなかった。
亡き妻の肖像に老人は虚しくて笑った。
所詮、人は人の死に平和を見つけると知った。


東日が差す広場。溢れかえる勝者。
西風が吹き抜けて揺れる、縊首台。
を望む石の楼。時を告げに来た者。
「そうか」とだけ一言。述べて、王は往く。

かつての同胞に今、己が死を望まれて尚、彼の答えは、平静。

血に飢えた群衆に敢えて王は堂々と向かった。
「戴冠の日以来の大歓声だ。」と嘯いた。
為政者の姿に、執行人は誇らしくて泣いた。
誰もが少しだけ、邪魔者の登場を願った。

刹那、空気を読まずに役人が号令を飛ばした。
躊躇いに先立って、執行人の手は床を落とした。
大きく宙を舞う最中に王は皆を見遣った。
取り返しのつかない熱狂が視界を閉ざした。


そして民は初めて恐怖した。
世界はあまりにも自由過ぎた。
忌々しき正義を壊して見上げた空は、果てしなく青かった。

誰かが歌いだした、亡き王を讃美する歌。
昼前の広場にその声は徐々に広がった。
実に馬鹿げていると誰もがそう理解していた。
しかし、それでいいと誰もがそう感じていた。

手の武器を投げ棄てて皆が天に叫んだ歌。
二度と手にしないと誰もが口々に語った。
いつか時代が下ってこの自由が倒れるときは
誰もが抗わずに縊首台に消えようと誓った。

ラララ
老人は妻を見て、微笑んで、そして眠った。

その程度の革命の話さ。

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投稿日:2019/02/17 00:34:46

長さ:04:21

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カテゴリ:ボカロ楽曲

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