闃寂
『闃寂』
夕月夜の街並みにそっと
うそがぼんやり滲んだ
暗い闇の薄灯りにはもう
うんざりと吐き捨てた
欲張りでいきがりなグレイの気がかりに
鬱陶しくうざったくて
こびりつく
残像に紛れて声を殺しても
色味も湿度も忘れられずに
選ぶ言葉よりも熱い思いよりも
素顔のままでいられるなんて
嘘
アスファルトの単調な雨滴が街の喧騒にとけた
ぼんやりと揺れる灯りの中で象るものは何?
夢の中までも蝕まれてしまいそうな
空虚で過激な思いがうずいてる
もう二度とふれられない取り戻せない
溢れる思いが零れてしまいそうな
もっと深い闇へもっと奥の底へ
思い出の数だけ名前を呼んで
残像に紛れて声を殺しても
色味も湿度も忘れられずに
選ぶ言葉よりも熱い思いよりも
素顔のままでいられるなんて
嘘
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