青空を見上げた、ゆったりと流れる雲
一度あの雲の上に横たわってみたい
そんな思いを胸に歩んだ道の足元には
毒を持った無数の棘が生える
強いられていくのはとても大切なものを
供物として捧げること、その見返りもない
この繰り返しの中、身を置く場所も消えて
地図にない穢れた街、そこに身を寄せていた
失ったものは二度と取り戻せず
追いかけてそれを探し傷つくだけ
体じゅう砂に塗れ汚れていく
古い小屋のバスルームのシャワーだけが体を癒した
いつまでも続くと信じた日々を支えていたものたち
時が流れ続ける中で一つずつ失っていく
それに代わるものさえなくて永遠に失われていく
そしてすべてを失ったら此処にいられない
*
地図にも載ることのない灯り少ないこの街
迫る夕闇の空が赤色に染めていく
擦り切れたジーンズを穿いて彷徨ってたら
聴こえてくる音楽に引き寄せられていたわ
激しさに満ちたダンスミュージックが
人々を包み込んで踊らせてる
その中に混ざり込んでこの体を
音楽に合わせながら悲しみを隠すように踊った
心に負った深い傷は二度と癒すことはできない
だけど少しの間だけは忘れて踊り続けたい
そんな私のことを見てる一つの視線を感じたの
ターンテーブルを操るあなたの視線を
* *
それがあなたと私の関係の始まり
本当なら此処で心を許すのは恐い
だけどあなたのこと信じられそうなの
だから私はあなたに心を許した
あなたと私の過去にある失った悲しみは似てる
だから互いを受け入れ合いあなたと恋に落ちていく
このまま激しく抱き締めて、そしてこのまま放さないで
この「霧のような荒廃街(ミスティダウンタウン)」で
私は変わろうとしてる
私からすべてを奪った頭の狂った為政者を
私は決して忘れない、必ず奪い返してみせる
私はもう独りじゃないわ、あなたというパートナーがいる
脱がされた裸の姿であなたに抱かれて勇気を授かるの
いつか戻るために
00:00 / 05:09
Misty Downtown
地図にないスラム街、そこに一人の少女が身を寄せていた。
彼女はどこにでもいる普通の少女、だけど彼女は同じような生き方をする道を断たれてしまっていた。
それは、抑圧や搾取が熾烈を極めるという為政者の暴走が招いたものだった。
これが彼女の生活を一部分ずつ破壊していき、やがて彼女は住処、そしてすべてを失った。
スラムの一軒家に身を潜めていた彼女が街を歩くと、住人たちが集まる賑やかな一軒のダンスクラブを見つけ、その中に混ざって踊り始めた。
その姿を、クラブのDJをしていた一人の青年が捉えていた。
それが二人の出会いとなった。
もう一人の575VOCALOID、小林抹茶第1弾。
ご意見・ご感想