その庭には囚われた 美しい緑の鳥
足には銀の鎖 瞳には絹の網
悲しい囀(さえず)りは ただ枝を震わせ
庭は冷たい響きに満ちる
飛ぶために 歌うために
この体はあるのに
どうしたら この思いは 解き放てる
もう一羽囚われた 優しく赤い鳥
傷つき飛べない羽 じっと枝にとまり
緑の鳥の嘆き ただ聞き続けた
赤い鳥はある日 心を固めた
飛んでほしい 歌ってほしい
私の代わりに
その鎖 解き放って 逃がしてあげる
風切る羽 陽を浴びて 金に燃える朝
緑の鳥 高く歌い 空を目指す
木々の陰で 見つめている せつない瞳で
赤い鳥は 穏やかに 見守っていた
輝く羽が遠く消えていくまで
緑の鳥 赤い鳥
あえて自己犠牲的な詞を書いてみました。
緑の鳥は可能性あふれる若い鳥、赤い鳥はそれを見守る年上の鳥です。
飛び立つものは美しく輝いていますが、自分への満足と幸福は確かに見守る側にもあるのです。
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