耳慣れない声声声
馴染みのない空空空
鏡映し誰誰誰
心は此処に在らず
肉体とは殻殻殻
魂とは自我自我自我
なら私は誰誰誰
思うほど嫌嫌嫌


痛み分けの恋恋恋
傷の痕に愛愛愛
流れ出した液液液
脈を打つ血の赤さ
塩基による列列列
分子による差異差異差異
でも答えは否否否
思慮の行き先は何処？

哲学者を気取りきった妄想で
構築する異常性論理
自己破壊衝動的原理
言葉を羅列し続けたって

鏡の正面私はだあれ？
手の鳴る方へどちら様へ？
見えてるようで見えないような
自分の形をなぞって
右手挙げても左挙げんの
歪んでいるのは私だけ？
私はどうして私だと言い切れるだろう


耳慣れない声声声
馴染みのない空空空
鏡映し誰誰誰
心は此処に在らず
自己はつまり脳脳脳
返事はないNoNoNo
ならば僕は誰誰誰
死に絶えた後は何処？

こんな蹴散らかしてまぁ
収まりゃしないゴミの山
生き死にの意味なんて
片手の指で足りるほど
不便不自由も無い
不純物まみれの命
節穴の目開いて
しかと焼き付けろ

勝って嬉しい馬鹿一同め
負けて嘘泣き狸寝入りめ
知らない癖に知っているような
我が物顔でのさばって
右向け右で左見たって
そういうモンて諭されるの
僕の意思など僕にくれる気もないんだろ


鏡の奥で鈴の音鳴って
凛として咲く蓮花のように
幾何学的に拡がっていた
私の僕の形を
右手挙げたら左挙げんの
割れた硝子の向こう側で
不可逆的な二人鏡像異性体