もう最後にしよう
引き取ってもらって辛くなるなら
最後の一人

―よぅよろしくな―
メイコのマスターだという
メイコとは昔から一緒らしい
互いに信頼できる　ボーカロイドにとっては夢のようなコンビだ

―メイコと組めばいいと思うんだけどなぁ―
いい人そうだった　メイコも優しくて綺麗だ
音の絶えない日々の始まり
彼はいつも私たちと一緒にいる
メイコは寂しそうだった
歌を作っているから　そう言ってあきらめていた
また歌えるから　と

でも作られたのはレンの曲
メイコのパートがひとつもない曲
レンが来て嬉しかったのよ　そう言っている

俺らが来たから二人は割れる
長い間で築いたものが少しずつ崩れていく

ある日　またレンの曲が作られていた
メイコの様子がいつもと違った
―あなたたちがイナケレバ―
凶器を持って立っていた
彼は止めようとしたが遅かった
ソレは振り下ろされていた

…メイコ自身に
―メイコッッどうして…君らのせいか?出て行ってくれっっっ―
俺たちのせいじゃないのに　彼のせいなのに
私たちは悪くないのに　悪いのは彼なのに

人は嫌い　何で他人のせいにするの？
この世界も嫌だ　人が作ったものだから

だからこれだけは伝えてやらない
メイコが最期に言った　彼が聞いていなかった言葉
―ヤっと見テくレタ　アリガとう―