1
A
数えた月明かり
花びらに落ちては
恋しさ淡く散って
かけらがほろり
解けていった
望んだ夢現(ゆめうつつ)
ひとときを照らした
愛しさ夜に揺れて
移ろう背(せな)に
溺れていった
B
眼(まなこ)は果てをみる
心は透きとおり
残した痕(あと)は
清らかなまま
なぞる追憶
S
2
遠くおぼろに滲んだ
月のせいにしましょう
今宵私を摘んで
2
A
映した月の夢
泡沫に零れた
吐息が混ざり融けて
雫が夜を
覆いはじめた
薄闇舞う蝶は
仮初の花嫁
くちづけ甘く消えて
瞼の裏に
約束をした
B
儚く囁いた
もう何も纏わない
織りあげた花
なめらかなまま
祈る一刻
S
そっと雲間に隠れた
月のせいにしましょう
今宵私を識(っ)て
C
月夜に紛れた
秘めた花鳴き濡れて
今宵永遠(とわ)のふたり
————ひらがな————
1
A
かぞえたつきあかり
はなびらにおちてわ
こいしさあわくちって
かけらがほろり
ほどけていった
のぞんだゆめうつつ
ひとときおてらした
いとしさよるにゆれて
うつろうせなに
おぼれていった
B
まなこわはてをみる
こころわすきとおり
のこしたあとわ
きよらかなまま
なぞるついおく
S
と(お)く
おぼろににじんだ
つきのせいにしましょお
こよいわたしお「つん」で
2
A
うつしたつきのゆめ
うたかたにこぼれた
といきがまざりとけて
しずくがよるお
おおいはじめた
うすやみまうちょおわ
かりそめのはなよめ
くちづけあまくきえて
まぶたのうらに
やくそくおした
B
はかなくささやいた
も(う)なにもまとわない
おりあげたはな
なめらかなまま
いのるひととき
S
そ(っ)と
くもまにかくれた
つきのせいにしましょお
こよいわたしおし(っ)て
C
つきよにまぎれた
ひめたはななきぬれて
こよいとわのふたり
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