白 白 白
雪 雪 雪
あとは 一本の樹と 一人だけ、人
田畑が、雪に、すっぽり覆われる
冬の間
若者は、生きるために、樹を、伐った
一面の白の中
薄らと、黒と朱
それは もう、鳴くこともままならぬ
鶴
羽を括られ 首を括られ
それは そう、生きるのを ただ、望む
鶴
傷 傷 傷
朱 朱 朱
痕は 滴った血と 染められた、雪
誰かが、罠を、仕掛けた 生きる為
恨み、無いが
その命、棄てるような、修羅じゃない
息すらも、白の中
結んでた、白い布
それは 鶴 白色に溶けたまま
眼を
そっと、合わせて じっと、見つめて
それは 鶴 歓びに満ちたまま
眼を
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