なんかどっかの町には 鯨で生計立ててるおっちゃんたちがいて
21世紀に入った今でも 鯨を獲って食べているらしい
そこにやってきた 海の向こうのうるさいロビイ犬
鯨を獲るのは残酷だからって 「こんなに可愛い生き物きゅんを獲るなんてふじこふじこ」って
鯨の親類をハンバーガーにして食ってるくせに何のジョークですか?
ともかくお節介にも そいつら海を越えてやってきて
こんな東方の端の小さな町に 大勢押しかけて鯨獲りやめろっときた
「鯨は高等なの! こんな賢くて可愛い生き物食べるなんて重罪!外道!劣等民族!
私達はそういう奴らを裁く正義の軍隊云々・・・(以下略) 鯨のためなら死んでもいいのよ!!」
なるほどじゃああんたらを食いましょうと言えるわけもなく
そんなの許せる分けねえベともみ合いを始めるおっちゃんと犬たち
そのとき沖の方でなんか大きな声がした
「定置網にでっかい鯨がかかったぞお!町全員で食えるぐらいでっかい鯨だぞお!」
歓喜に燃えて海へ出るおっちゃんたち そんなのさせるまいと興奮して追う犬たち
・・・自分の正義示せる場が来たぞって、内心奴らも歓喜してたのかも知らんがね
果たして辿り着いてみればそれは一頭のシャチだ こんなところに、どうやら迷子らしい
「こりゃ珍しいもんだ、どうしたもんか」とおっちゃんたちも当惑気味
「食べるんですか」と犬団体の代表 おっちゃんたちは「まあそうだな」と当然の表情
「あなた達どこまで野蛮なんですか傷ついてるじゃないですかカワイソウじゃないですかふじこ」
後はもうお決まりの押し問答さ
船の上で大乱闘ラウンド2 「俺らは食うためにやってんだ道理のないこと言うな!!」
「だいたい俺らちゃんと供養も感謝もしてるし、お前らのご先祖ほど鯨を食い散らかしてねえ!!!」
おっちゃんたちもついにキレたが 犬たちは効く耳ナシ、自分の声がうるさくて
持ってたらよかったんだけどねえ・・・
「もういいお前らそのサルを押さえてろ! さあシャチちゃん助けに来たよ!」と、とうとう一人が海に飛び込んだ
一方でシャチはお腹が空いていた
何しろ北の海からはるばる迷ってきたんだ、とてもお腹が空いてた
そこにあまりにも無防備な生き物がたっぷり肉持って落ちてきたわけさ
・・・味はちょっとまずそうだったけど
悲鳴が響き渡る前に骨が噛み砕かれる音を
一瞬で血に染まる波をそしてそれが消えるさまを
ただ海だけが見ていた
ただ海だけが見ていた
ただ海だけが・・・
ある日の入り江
なんだろう、「後味の悪い話」のまとめを見ていて、本当か嘘か知らないが、動物愛護団体が保護して1年間手塩にかけて育てたアザラシの赤ちゃんが海に帰したその瞬間にシャチにぱっくり食われたって話を読んで書いたもの。
なんというか、人間の都合なんか自然はお構いなしなんだなーと思います。
シャチは腹減ってただけ。きっと腹ペコだったんだ。そこに柔らかいしかもろくに逃げられない肉が来たらそりゃ襲うわけで。
そういう厳しさを全部分かってて、奴らはクジラ可哀想とか言うんですかね?
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