a
ぼくはニワトリ
たまごから産まれた
けどぼくのママは
鳥ではなかった
ママはにんげん
羽も生えてない
パパのいない家で
二人で暮らしてる
b
本当のママはどこにいるのか
知りたいけれど知らなくてもいい
聞かないほうがいいらしいことを
ぼくはなんとなく知っているのだ
s
顔も性格も声も違う
なにもかも似てないぼくらは家族
守るのはふたつの約束だけ
毎日いっしょにご飯を食べて
気持ちをちゃんと言葉にすること
a
ある日聞いたの
パパの話を
どんな人なのか
気になっていたんだ
ママはしばらく
黙って目をとじ
何かをじっと
考えてから言った
b
雨が降れば傘をさすように
夜になれば月が出るように
ママがあなたを好きなように
パパのことも愛していたの
s
顔も性格も声も全部
なにもかもわからないその人は家族
知りたいことは教えてくれない
ただいえるのはぼくもパパも
すごくママから愛されていること
c
本当のママも
本当のパパも
ぼくの記憶には住んでいないの
ふとしたときに
会いたくなって
からだのまんなかが
急に痛むよ
そんなときは
なぜだかママが
気合を入れてごはんをつくる
二人で食べて
おいしいねって
笑うとふわっと
痛みが消える
s
顔も性格も声も違う
なにもかも似てないぼくらは家族
守るのはふたつの約束だけ
毎日いっしょにご飯を食べて
気持ちをちゃんと言葉にすること
顔も性格も声も違う
なにもかも似てないぼくらは家族
ぼくが寝る前にママが言った
親子も家族もどうでもいいのよ
あなたはママの最愛のひとだから
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ぼくはニワトリ
たまごから産まれた
けどぼくのママは
鳥ではなかった
ママはにんげん
ぼくが大好き
ぎゅうっとしたなら
羽にさわった気がした
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