ホットケーキの月の夜に

明日を頑張るための贅沢
言い訳はちょっとでっかく
メープルシロップで描く
天の川を零したみたいに

温かくて甘いもの
この世にもっと増えればいい
金色に輝いている
太陽に近付ける気がした

だらだら月日を食べている
この幸福だけ頬張りたい
それでも月はただ欠けていく
虚しく満ちていくのを待つ

寝静まり　ひとりの世界
溜め息は派手に小さく
パウダーシュガー　ふわり舞う
束の間の希望　まぶすように

ひんやりして苦いとこ
僕にもっと増えてしまう
銀色に輝くことすら
できやしないと知ってしまった

誰かを照らせるようになれたらな
薄靄だって虹に光るのに　
電飾を巻き付けたみたいな
偽物にしかなれないんだ

酸いも甘いも飲み込んで
牛乳で流しておやすみ
明日を頑張るためだから
今だけはどうか温めて

太陽も月もキミにすらも
なれないことなんて知ってるけど
諦めはもう食べちゃった
ホットケーキの月の夜に