雨粒が僕を見て季節を彩る
窓越しの風景
読みかけの本を閉じて 雨脚を眺める
いつかの夏のように
闇の香りが あたりを包みはじめ
ドアの鍵はみつからない
あの夏のサイレンは二度と鳴らないよ
何度でも鳴り響き 胸の奥に
雨粒が街を抜け 傘の花が散る
夏が加速してゆく
夜の孤独が体中に染み入り
まどろみの中に落ちてゆく
オフィス街の灯りは静かに燃えて
「思い出を忘れろ」と僕を急かすよ
呼び覚ます午後の風 通りを横切る
あの晴れた日の匂い 僕を乗せて
心は雨模様 雲で霞んでも
胸の陽が燃え落ちる その日までいこう
そよ風が涙して 街を洗うと
「置き忘れた時間」を取り戻した
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