泣ける程素直じゃない だけど
歪んだこの夏のほうが 綺麗な音がした
凛と夏が透ける 薄氷ガラス窓
寒さに目が覚めた明け方
冷たい息を吐く 機械音を止めて
急にじわり騒がしくなった外 ドアを開けた
人混みの中 潜り損ねる
溺れては足をついて一人 見上げた
青い空 頬を伝う汗 鳴かないで夏盛りの蝉
痺れるほど絡みつく暑気は 抱きしめた温もりのようで
眩む目を閉ざした
網戸越しの風に溶けるかき氷 肌に残る畳の跡
溜め息に寄り添う 羽音の囁き
赤く腫れた色は褪せても まだ歯痒いまま
永遠のような 一瞬のような
道端に落ちていた一人 脱け殻
言葉が少しずつ渇いて ひび割れ欠けていく声に
余所見の先 浮かぶ蜃気楼 握られた湿度にむせて
君の手を離した
肩越しの高さから見ていた 夕焼けに移ろう景色
向日葵は頷いただけで 降り注ぐ日射しの中に
埋もれた
青い空 頬を伝う汗 止まないで夏盛りの蝉
痺れるほど絡みつく暑気は 抱きしめた温もりのようで
眩む目を閉ざした
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