空が今 にじんでも

12作目です。テーマは卒業。「桜ソング」ではありませんが。


寒空の下　切なさを隠した足取りは重く　
迷い　とまどい　北風に冷たくあしらわれていく

沈丁花が咲いている　清らかな香りに揺れる
例えばこんな人になれたらと高望みしているだけ

望まなくとも時は過ぎて　別れの日は訪れる
ただ後に残されるのが定めでも

無邪気に笑い　騒がしく　まぶしかった日々
巡る季節は同じ気持ちで迎えていた　けれど
すれ違ってた恋をした　ただそのことだけで
あなたを想い　涙流すなんて


夢に向かって走り出せと　小さな背中押されても
思い描いた願いさえ　空想と切り捨てられて

飾りたてた誘惑につい手が伸びて　泣き崩れ
私が最後に選んだのは　恋したひと　追わないこと

何でも器用にこなす人　私もあこがれていた
奔放な恋の行方は今どこへ？

自分で決めて　流されて　時に背を向けて
肩肘張って生き続けてくわけにもいかなくて
いつか誰かに恋をして　あなたを忘れよう
そんな思いも　今日は胸にしまう


日を追うごとに花の色は鮮やかに街を染める
いつまでもうつむいていちゃ　いけないと

無邪気に笑い　騒がしく　まぶしかった日々
巡る季節は同じ気持ちで迎えていた　けれど
すれ違ってた恋をした　ただそのことだけで
あなたを想い　涙流すなんて

にじんだ空がまぶしくて　ふと視線そらす
あなたを見てた　あの人が今輝いてる　だから
こぼした涙　春の露に　変えられると信じて
あなたの門出　そっと見守ります