きっと、忘れないでしょう
あの日の焼けた、陽の差す横顔
あなたの震える身体を抱いて
魔笛に耳澄ます午後の伽藍堂
きっと、忘れないでしょう
静かに咲き散る花弁に月と微笑
私は此処で、夢のまにまにを
嗚呼、眼に映る、景色が色褪せてゆく
嗚呼、この手で、千々に切り裂いてしまいたい
私に名前が在るなら、滴る赤い血がかようなら
掴めたはずの全てが、私はずっと憎い
私に手足が在るなら、灯りを映す瞳が在るなら
掴めたはずの全てが、私はずっと憎い
ずっと、憎い
此処から伸ばす、手の半径
あなたに触れるまでが遠い
口から溢れる出鱈目に、あなたが笑む、だけでいい
やがて終わる春に口付け
皐月芽吹くは、緑
薄暮憂うあなたに、どうか自由と祈り
私に名前が在るなら、滴る赤い血がかようなら
掴めたはずの全てが、私はずっと憎い
千代の孤独、懊悩の日も、無に帰すまで胸に抱いたまま、葉桜の最期と、意地悪に愛している、愛している
きっと、忘れないでしょう
あの日の焼けた、陽の差す横顔
あなたの震える身体を抱いて
魔笛に耳澄ます午後の伽藍堂
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