A
全部は言いたくなかった
今度もまたねもいらなかった
確かな約束など
あなたとあたしにはなくて
いつも不確かなものばかりを
大切にしすぎていた
B
綺麗だね
海に足を入れて振り向いた
透明で触れないものなど
もういらないのに
S
それでもあなたと過ごすしかないのかな
この鼻先をくすぐる
柔らかな風が
あなたの匂いと混ざる
それはあたしが一番好きなもの
A
いつからだろう
傷に傷を重ねることに
慣れてしまっていたのは
約束なんてこの世で一番無意味なものに
縋って寄り添ってまた明日
B
言葉じゃもう
抱えきれない程にこの手から
見えない何かが零れ落ちていく
S
それでもあなたはあたしといたいと思うの?
この声が聞こえる距離にいないと
あなたは離れていってしまいそう
行かないでを聞こえないふりした
あなたのことは嫌い
C
見えなくたっていい
この指に巻きつく糸に色がなくても
この唇に色を咲かせてくれたなら
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6.
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