あと少しなの ほんの少しなの
でも 上手く手が動いてくれないの
ある日の買い物帰り 一緒に笑って歩いて
左手にアイス 右手は空っぽ 何か掴みたい
君の両手 どちらも私の荷物
どうして私だけ 空いてるの?
わがまま言って あれこれ買うんじゃなかったな
君は気付いてないでしょ 私の今の気持ち
「手を繋ぎたい」なんて 恥ずかしくて 言えない
それでも 繋ぎたいの 君の 温もり 感じたいの
あと 11000 ㎝だけ 近くて遠い距離
頑張って動かせば 届くけど
あと 11000 ㎝だけ 近くて難しい距離
右手 指先 微かに触れる けど
君の体は 近くを通る 野良猫へ動く
ある日ののんびりデート 家で笑ってはしゃいで
目の前にテレビ 見ているのは 恋愛ドラマ
男女がキス 少し気まずい雰囲気
ちらりと横を見る ふと目が合うの
近付く君 目を閉じた
「ゴミついてた」
なんて
君は気付いてないでしょ 私の今の気持ち
「ドラマみたいに」なんて頬赤くて 言えない
それでも 塞がれたい 君に唇 奪われたい
あと 11000 ㎝だけ 近くて遠い距離
自分から動けば 届くけど
あと 11000 ㎝だけ 近くて難しい距離
両手 指先 微かに触れる
けど 運悪く 携帯が鳴り始めて鳴り止まない
11000 10100 1111 1010 11
あと 勇気だけが足りない
「無理かも……」と諦めた その瞬間
あと 00000 ㎝だけ 近くて近い距離
頑張って動かせば 届いたの
あと 00000 ㎝だけ 近くて近すぎる距離
両手 指先 微かに触れる
けど 君は強引に体を寄せ 口づけをするの
「さっきはゴメンね」 謝る君見て
でも 上手く口動いてくれないの
「分かってくれたらそれでいいの……」
11000 ㎝
女の子視点の作品です。
鈍い彼は私のしたいことに気付いてくれない……
でも自分からそれを言うのは嫌だな……
という感じの詩です。女の子の奮闘記(?)です。
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