薄暗い森の中
古びた大きな館
オバケがでそうなくらい
蜘蛛の巣張った洋館
(コンコンッコンコンッ)
「誰かいませんか?」
(トントンットントンッ)
「誰も居ないのかな?」
コトンッと落ちる
何かが落ちる
どうやらそれは館の鍵
ようこそ不思議な洋館へ
時間が作ったアトラクションを堪能してね?
大きな階段が大歓迎
館の奥に進むには落ちないように慎重に
(ギシギシッギシギシッ)
「床が抜けたら死んじゃうのかな?」
(ガタガタッガタガタッ)
「怖くない……怖くなんてないっ」
館の最上階に
広がる大きなお部屋
真ん中にあるは
大きなキングのベッド
ベッドに横たわる
哀れな壊れかけの人形
綺麗に残ってるのは
真紅の右眼だけ
(ドキドキッドキドキッ)
「なんだろ?胸がときめく」
(バクバクッバクバクッ)
「もしかしてこれって恋かな?」
ようこそ不思議な洋館へ
人形の主が君を誘っているよ
ひび割れ人形涙して
君の心を引き止めたがる
「私を愛する人が欲しいの」
「僕が傍にずっと居てあげる」
洋館で生まれる恋の花は
森の奥で密かに散る……
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