「Dear... ~Last message for you~」

「今までありがとう」

それが君の最後の言葉だった・・・
それが「日常」の終わりを告げる鐘の音だった・・・


「First season Meeting you and me」


3年前。
君に一目奪われた私・・・そのメッセージは学校の帰り道に咲き誇る桜よりも鮮やかに咲き誇った。
そしてこれが私達の最初の出会いでもあった。

特別な会い方ではない。ただ入学式で彼を見かけただけ。そしてたまたま、同じクラスになっただけ。特筆すべき出来事など何も無い。

綺麗に華が咲いた後、一緒に帰ることになった。

それまでは見ず知らずだった私達。
当然、一緒にいても何かぎこちない。話がなかなか盛り上がらない。何か口調も他人行儀だなぁ・・・

「ねぇ・・・もっと親しげに話してよ。何か・・・変な感じ。」

無茶な要求なのは分かっていた。だって1週間も遡れば互いを知らなかったんだよ?
でも勇気を出して私が言ったんだから、彼にも勇気を出して欲しかった。

「う、うん・・・でも何か恥ずかしいなぁ。」

「そんな・・・私だって恥ずかしかったんだから・・・」

「・・・分かった。頑張ってみる。時間がかかるだろうけど、よろしく。」

たった一言。だけどこの言葉が私には、あの華よりも嬉しい一言だった。

「じゃあまた明日ね!」

「あー、ここで7時に待ってて。そのくらいなら学校にも間に合うだろ?」

こうして、激動とも言える彼との一日が過ぎ去った。


出会って半年もすると自然に会話できるようになった。・・・当たり前のことだよね?
昨日のテレビの感想、次のデートの予定、ちょっとした愚痴、辛い時の悩み相談・・・もう話題が尽きなかった。いや、全てが話題になった、と言うべきかな?

もう落ち葉が道を覆う頃。
ガサガサと鳴らす足音のオーケストラ。面白がって落ち葉を巻き上げてみる。

「ほら、そんなことしてると危ないぞ。こけちゃ・・・・うわっ。」

落ち葉に足を取られてこけそうになる君。そんな君を見て私はくすくすと笑う。
耳を真っ赤に染める。カッコいい君にもそんな可愛さがあるなんて♪
これ、私しか見てないよね?


目に映る景色は巡り、またあの景色がやってきた。
眩しい位の強さの日差し。ぽかぽかと暖かい・・・そんな中、君はいつも通り待ち合わせ場所にやってきた。
昨日は雨だったからかなぁ。君の姿がいつもより眩しく見える。

「そろそろ、一年経つんだね・・・」

「あの時のお前にはホント驚いたよ。だって突然すぎたんだからな。」

「えー、じゃあ告白しなかった方が良かった!?」

「何言ってんだよ。お前が居なかったら・・・いや、何でもない。とにかく良いに決まってる。」

・・・あれ?何か意味深なことを言ったなぁ。でも気にしない!

「これからも、宜しく。」

「私こそ!ずっと離さないんだから♪」


あの時は、こんな日々が続くと思っていた。そう、いつまでも・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

Dear...~Last message for you~

19's Sound Factoryさんの「First Sound Story」の第五話「Dear」に感動し、思わず書いてしまった自作SSです。あの名曲を聞いて、書かずにはいられませんでしたので・・・

名曲を元にしていても、書き手が酷ければ、文章も悪くなる・・・そんな一例かもしれません。(苦笑)

でも当の本人は必死で書いております。お気に召したら是非ともご覧下さい!「前の作品」で続きが読めますので・・・

閲覧数:285

投稿日:2008/08/12 14:26:14

文字数:1,265文字

カテゴリ:その他

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