手を伸ばしたってベクトルが違って 注射針に貫かれて僕の中には何もなくなり そっと落ちた雨はすぐに渇いて消えた


忘れちゃダメだ 何年先まで なんてみんなは言うけど 僕は今すぐ忘れてしまいたいよ
全部忘れてなかったことにして 平凡でほんのり楽しい日々を送るんだ

ほとんどの人には許されてるそれが どうして僕には許されない
忘れることは救いだと 誰かは話していたのに

ただ前に進め 後ろへ逃げるな じゃあ僕はどこに行けばいい? 蹲って腕抱えて震えることしか出来ない出来ない
誰のために? 誰かのために じゃあ僕のためはどこへ行ったの? 目標亡くして狼狽えるしか出来ない出来ない 月は今日も見えない


「うるさいな!」って怒鳴って家を飛び出した僕は 雨に打たれて考える
何をすれば正解だったの みんなが笑っていられるの 辺りは暗くて先が見えない

薄っぺらい「悲しいです」「辛いです」が空を飛び 平和へ話題を提供する

ただ前に進め 後ろへ逃げるな じゃあ僕はどこに行けばいい? 四方向いて無茶苦茶に物振り回すしか出来ない出来ない
誰のために? 誰かのために じゃあ僕のためはどこへ行ったの? 明日に戸惑って彷徨うしか出来ない出来ない 今日も空には星がない


頭上から落ちてきたたくさんのブルーベリー 「ケーキみたいだね」笑う 少しお茶でもして行こうよ ゆっくり行けばいいからさ 時計を外した

今進まなくていい動かなくていい そこにいて座り込んでもいい 誰にも君の選択を否定する権利なんてないんだから だから
目逸らして全部忘れて 辛いことなんかしなくていいよ 誰かよりも自分のために笑っていいんだ いいから
さあ逃げよう 星が散る空へ
さあ進もう 真横を向いて
あなたのために

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ダメ

震災から二年。
私は直接的な被害を何も受けていませんが、忘れない、風化させないことが義務のように扱われているのに少し違和感を抱いています。忘れかけていく中で気付くこともきっとあるでしょうし、忘れないことが辛い人も多いと思います。
忘れるのは仕方ないこと。それは生の感覚として残すことは難しいけれど、記録として残すことは出来る。「忘れない義務」はやめたいです。

辛くて忘れたいのに世間は忘れるなと言う。前に進めと言う。それに苦しんでいる人もいるのではないか、とこの歌詞を作りました。逃げることは立派な行動なんですよ。

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投稿日:2013/03/12 00:35:39

文字数:742文字

カテゴリ:歌詞

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