
古麦わら帽子放り投げた
遥40000フィート、飛んでいった
君の卒業祝いの餞に部屋の片隅でも独り占めさせてよ
ぱっと浮かぶ風船 ま空へ染み込んだ
淡いままの少女は黒い髪を解いた
褪せりない紅いくちびるに
重ねた不器用な告白にただ黙り頬を染めた
夏冠かぶり初めて愛しく笑った
待ち合わせの神社 場所を忘れた
悲しいくらいの群青 目を伏せた
頭上を飛行機が掠めれば明日あなたにさよならを
「何回目かの夏にあいことばを言って」
私、ここで待ってる
茜色すすき野が揺れる
溢れ出す太陽の粒と
埋もれた箱庭の外れから陽だまりに駆けていった
夏陰の向う
いつかの僕らが見た夢
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