雲の影

果てしなく　広がる
光と　影の中に
時には　暖かく　
時には　冷たく吹く
記憶の　風音　　
吹き荒れた　青い季節
幼い春は　南風
雲の影は　夢の跡

陰りゆく　季節は
午後の空へと　巡り
残された　未来は
澄んだ　水晶の河
透き通る世界　銀の雨
雨は流れて　心へと
深く満ちて　海へとくだる

夕日は　空を染め　
金の　大気は光り
幾つもの　リストは
過去の　褪せた運命
風に舞う涙　いつの日か
流れ流されて　消えてゆく
時の河に　雲は流れる
河は淡く遠く　
夜の流砂に消える

懐かしい　姿は
遠く過去へと　去って　
心には　沈黙　
夕暮れの言葉　友に
星まで　帰る日　
君を待つ　月の航路
夕日の季節　
永遠の旅人の旅立ちの日

静謐の　季節は
落ち葉の道を　聴いて
凍る冬は　白く
春は雨　銀色の
夏の輝き　金の海
夕日は　海を染め渡り
花の岡に　影は流れる
心は　満たされて
影の彼方に　向かう