「レンなんか大嫌い。」
「…俺はリンのこと好きだけど、」

私がそう口にするたび、レンは真逆の言葉を口にする。
どうしてこんな私に、好きだなんて言えるの。
すぐにひどいこと言っちゃう私に、どうして優しくできるの。
平気なふりしたりして、本当は辛い思いしてるって、顔にでてるのに。
そういうとこ、私は嫌いなの。


いつも笑ってるあんたが嫌い。
何にも弱音吐かないところが嫌い。
私と顔がそっくりなのが嫌い。
そっくりなのに、私より綺麗な顔が嫌い。
私がひどいこと言っても笑ってるとこが嫌い。
思ってもないこと言っちゃう、自分が嫌い。
素直になれない自分が嫌い。
あんたが好きだっていう、あたしが大嫌い。


「…ね、レン。」
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い。
「なに。」
嫌い、大嫌い。
レンなんか、大っ嫌い。




「キス、してよ。」

軽く触れたレンの唇は、温かくて、甘くて。

「ねえ、レン。」

その甘さに、私はもっと溺れたいと思ってしまうんだ。


「……好き。」
「…知ってる。」

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「大嫌い。」

あたしの心、全部見透かしてるあんたが嫌い。

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投稿日:2010/04/02 11:23:59

文字数:445文字

カテゴリ:その他

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