時々立ち止まって考える事がある。
「私と私の日々の意味って何だろう?」と。
「答えの無い問い」とか、
「それ自体が無意味」とか、
先人達はそう言っていた気がするが、
今はよそう。

私のこれまでの十七年、十八年、あるいは二十数年。
積み上げた物は無ではないけれど、
まるで無であると錯覚するほど、
私以外の全ては目まぐるしく
明日へと向かっている。
そう見えてしまって仕方がない。
やり方が上手くない事は知っている。
生き方が上手くないところも相変わらずだ。

それでも何とか生きてしまえている。
それがどうしてもどこか引っかかって、
何もかも分からなくなる。
それを考える事を止めたくて、
つまらない仕事や勉学に勤む
フリをして誤魔化している。
その意味も分からなくなって、
またこうして立ち止まっている。
堂々巡りの堂々巡り。

その意味を問う。

少し休もう。それがいい。
考えたって仕方の無い事も、
自分ではどうにもならない事もある。
そう言い聞かせて、イヤホンを取り出す。

君がまた見つけてきたお気に入りのナンバー。
煩く歪んだ、それでいて優しい歌。
悲しみや、悔しさや、やるせなさも。
いつだって、全てこういったもので溶かしてきた。

ボリュームを上げて世界を遮断する。

今は何も聞きたくないんだ。
これだけを聴いて浸っていたいんだ。
今はどこにも行きたくないんだ。
沈む夜の安寧以外は。


(歌部分歌詞)
明けない夜の中を泳いで
星を見下ろしたんだ
まるでひとりぼっち
それがとても優しく思えた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

その意味を問う

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投稿日:2022/01/29 15:07:08

文字数:657文字

カテゴリ:歌詞

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