窓から見下ろした
水色の空気の中
アベリアの街路樹
花咲くそば
角曲がるあの子に手をのばした
大切にしすぎた
光 いつからか
空を覆い潰してた
舞い上がる落ち葉に乗って
空に溶けてった
なのに 今も視界の
隅をかすめては からかうように
丸めた夜ひらに
イチゴでガラスを注いで
真っ青な救いをカメラに刺し
カセットの中で
君と眠りたい
あの子は夢の中
窓の向こう側
記憶の中 箱の中
起き上がることもなく
あの日に置き去り
影はどこにもいない
忘れたくないけど
進まないと
アクリルのような空
君は子供のまま
秋と共に消えてった。
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