御伽噺を聞かせましょう

花と少女と天使の話


町はずれの時計塔
近づいてはいけないといわれていた

けれど、この時間になると
決まって聞こえてくるのだ
とても奇麗な歌声が

けれどそれは同時に
ひどく切ない旋律で

胸が、締め付けられるようで


これは暁の魔法の
一つの終わりの物語


*暁の魔法*



機械仕掛けの時計塔 
天使は一人時を告げる
壊れかけた歌声 
時計の針を止めていた

誰一人いない町で 
枯れない花が咲き乱れて
花の娘は愉快そうに 
強かな笑みを浮かべ

(ひとひとりいないまちで
かれぬはなさきみだれて
はなわひとりほほえんだ
ただしたたかに)

ここは私だけの楽園 
不可侵の地
すべて約束された場所 永久に
暁の魔法が解けるのなら解いて見せよ
人に何ができるという
疾く立ち去れ


機械仕掛けの時計塔
君は一人貼り付けられ
壊れかけた天使は
歌う意味を忘れていた

人一人いない町は
生あるものを拒み続け
花の娘は不快そうに
立ち尽くす影を睨む

(ひとひとりいないまちわ
せいあるものこばみ
はなわとげをつきさした
たちつくすかげ)

暁の魔法にとらわれ歌い続ける
呪われた機械の翼 涙して
人に解けない魔法というなら
答えなんて
魔物となればいい
それだけのことだと

神に願っても無意味だ
我に祈り敬え
力貸し与えたもうぞ
その身引き換えにして

暁の魔法超える風
背中に受けて
絡みつく蔦を振り切り空駆ける
あなたのもとに飛び込んでいける翼がある
何も怖くはない刹那の夢だとしても

拒絶の茨の棘頬を裂き
碧い滴零れおちても
滅びゆく悲しみの歌声聞こえぬよう
偽りで塗り固められていた楽園でも
真実があるとすれば
それは愛だけ

(だれにだあておかされわしない
ふたりだけのらくえんまもりたくて
いばらよつたよどおかどおかどおか
ひりきなわたしにちからを
あかつきのちからを)



御伽噺を聞かせましょう

花と魔物と天使の話

暁の魔法が解けてしまえば
機械仕掛けの天使はガラクタ

報われぬ愛に魔物は嘆き
やがて自我さえも失う

取り残された花の娘
壊れた楽園で彼女は
ただ枯れるのを待つばかり

暁の魔術師が、
それを遠くから幸せそうに見つめていた

次はどんな悲劇を繰り返す?


***

機械仕掛けの天使→レン
花の娘→リン
魔物となった少女→ミク
暁の魔術師→ルカ

たぶんそんなキャストです。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

暁の魔法

+自作曲の歌詞になります。→http://piapro.jp/content/ntxex34d0nqk2eri
文字数オーバーのため歌詞だけ別投稿。

閲覧数:291

投稿日:2009/05/25 00:52:11

文字数:1,030文字

カテゴリ:歌詞

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