見たくないのだから仕方ない。

お前など、生まれてこなければ良かったのに。


『愛しているよ』


必要ないから信じない。

これは病か、あるいは一種のまやかしか?


『僕を信じて』


なあ、お前。



私を覆って、
それに絆されるまで、

私に戦慄を与えて

けれど壊しもせず

酷く甘い言葉だけを落として、そうして消えていく



これはお前の罠なのか?



私にいらぬ筈の感情と温度と、

…それと、お前の心の臓とを、

何故私に託すのだ。


『僕は生きたよ』


お前のせいだ。


『君を愛することができた』


私は、おかしい。


『この気持ちは誇りとなって…』


どうにかなってしまった。


『そう、だから』


見たくはない。


『後悔なんて、できようものか』


信じたくも、ないのだ。

…だというのに、

お前が還るのを、こんなに心待ちにしている。


『…さようなら』


嗚呼、頼むから


『僕の愛しい姫君よ』


私を遺して逝くでないよ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

症候群

学生時代の散文発掘。
あの頃から少しも進歩してない自分に凹みそうだ(笑)

閲覧数:151

投稿日:2009/10/08 21:03:09

文字数:444文字

カテゴリ:その他

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