愛ゆえ憎し君心
いろはの音で乱れだす
詠いあげるは恋い焦がれ
縁忘れぬ契り夜
おいでおいでと手を招く
***解説?***
貴方が愛しい。
愛しいから、憎い。
契った夜の約束を忘れないように、詠う。
狂ったっていいじゃない。
それほど貴方が、愛しいの。
「狂愛よ、いらっしゃい。」
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仮初め乙女花模様
君想えばこそ苦界旅
口約束にて救われて
貶し貶され愛す夜
恋に恋して月明かり
***解説?***
花のように芳しく、恋をすれば女は乙女になるの。
貴方を思えばどんな苦しみも耐えられる。
「愛してる」「ずっと一緒だ」そんな口約束でも愛しさは募り、不安は解消される。
二人でふざけて悪口を言い合ったって、そこも好きなんだからしょうがない。
「私達は、恋をしているのです。」
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笹の葉託し夢衣
死んで結ばれ星と成る
拗ねた唇可愛がろうと
背から囁く恋の文
傍で紡ぐは愛の音
***解説?***
笹の葉に託した永遠の絆。
ならば異国の物語のように死んで結ばれてみようか?
と提案すれば、君は唇を尖らせてしまった。
ごめんごめんと謝りながら、背中から抱き締め愛を囁く。
耳元で「愛してる」と呟いた後、君の唇を塞いでしまった。
「死んで結ばれるのも離れ離れもごめんだね。」
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忽ち消える泡景色
血で血を洗う生き様の
拙い涙影に消え
掌刻む雨衣
止まらぬ想い風が吹く
***解説?***
忍は人ではないのだ。
己の手で「日常」を消し、血の匂いが充満した世界で闇を作る。
泣き方など遠に忘れたはずなのに、君を想ったら涙が溢れた。
それも己の闇に消え去ってしまったけれど。
冷たい雨を掌に受け、風が体を貫いていく。
この風に己の想いも君に届けばいいのに。
「君は、今、何をしているのだろうか。」
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泣き袖濡らし
憎きは恋心
縫い目綻び
眠れぬ朧月
濃霧歩めば惑い道
***解説?***
苦しい胸に涙を流し袖が濡れる。
それも全て、この恋心のせい。
思いを封じたはずなのに縫い目は綻び溢れる感情。
朧月を眺めて眠れぬ日々。
恋とは、濃霧の惑い道のようなものなのだ。
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札(音)に乗せますこの想い
歌を留めて多くの心音
君が為に託します
願わくは空へと霧散し
君が元へと辿り着き
声となりて告ぐ我が姿
想えばこその望み事
叶わぬからこそ詠み人知らず
花は咲かぬが恋は咲く
暇さえ出来れば愛に逢い
触れて触れられ確かめる
平静保つ君愛し
惚れた弱味はくれてやる
***解説?***
冬になり、花はあまり咲いてはいないが恋に季節は関係ない。
暇が出来れば君に会いに行き、愛を確かめる。
触れて、触れられて、君を想う。
私の言葉に顔を赤くさせながらも、平静を保つ意地っ張りな君が可愛い。
君になら、何をされてもいいのだろう。
「私の“惚れた弱み”を君にあげるよ。」
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まだかまだかと待つ夜明け
乱れ咲くのは想い花
無垢な瞳に触れたくて
目の前筆に手を伸ばし
文字書き描く恋い心
***解説?***
彼女に会いたい。彼女に会いたい。
まだ世明けぬのか。早く明日になればいい。
あの無垢な、清らかな瞳に己を映したい。
溢れる想いにどうしようもなくなって、
夜中に灯りを灯し彼女に恋文を書くことにした。
「私は、今、とても貴女に会いたいです。」
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安い睦言要らぬから
ゐつも傍ら置いていて
揺れぬ誓いを忘れずに
ゑにし信じて絡む指
夜桜散る散る月夜船
***解説?***
使い古されたような甘い台詞はもういいから、
貴女の傍にいても良いという権利を私に下さい。
愛を誓った瞬間を忘れないよう、私は貴女の手を握っています。
夜桜見物と洒落込んだ、月を頭上に置いた船の上で。
「ずっと、貴女の傍に。」
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螺鈿細工に潜めるは
理屈脱ぎ捨て堕ち恋の
瑠璃色似合うその逢い手
恋情愛情響く声
浪漫片手に歩く道
***解説?***
君に似合うと思って買った簪。
螺鈿の細工の繊細な簪。
本体は君に良く似合う瑠璃の色。
あまり歓迎されない恋ではあるが、恋に堕ちてしまえば理屈など無視せねばならない。私が贈った簪を髪に飾った君と、腕を組んで歩く道は中々浪漫ではないか。
「理屈で恋など、出来るものか。」
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我に帰れぬ道
をかし夢衣纏う
梅襲の魅せる夜
***解説?***
恋とは、我に帰れぬものなのだ。
我を失う激しい感情。
素晴らしい、夢衣のような、ものなのである。
あなたの梅襲(濃紅&薄紅)の合わさった衣が私にとってのそれかもしれない。
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札(音)に乗せますこの想い
歌を留めて多くの心音
君が為に託します
願わくは空へと霧散し
君が元へと辿り着き
声となりて告ぐ我が姿
想えばこその望み事
叶わぬからこそ詠み人知らず
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d4043
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コラボC,Lより来ました。d4043です。
解説のおかげで非常に分かりやすく読ませていただきました。
曲の方はまだ聴いていないのですが、他にもかなりたくさんの作品を世に送り出して見えるようで、後日拝聴させてもらいます。
私も文章を書くので、詩にも興味はあるのですが恥ずかしさが先に来るというか……。曲に合わせた歌詞作りとかも大変そうですね。
これから寒い季節になりますが、体調に気を付けて頑張って下さい。
2010/10/14 22:33:58