ガーデン


光と環（わ）を描いて
小さな庭に降り立つ羽根
まばゆい思い出だけ
アルバムに探す日々

二度と叶わぬ恋
過ぎ去りし春のぬくもり
枯れゆく花へと
雪が降り積もる

呼んでも帰らぬ人
冬の静寂（しじま）に瞳は濡れ
するりと手を離して
遠く旅立つ鳥よ

季節がほころべば
この庭に花が咲くでしょう
だけれど貴方は
決して戻らない


窓から吹く風が
春の気配を運ぶ頃
無邪気な若葉が
目を細め笑う

貴方は言うのでしょう　あぁ
どんな雪も春には溶け
生命（いのち）はまた愛を謳い
そして続くのだと

光と環を描いて
小さな庭に降り立つ羽根
二人が愛した場所
貴方だけが居ない


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ひかりとわをえがいて
ちいさなにわにおりたつはね
まばゆいおもいでだけ
あるばむにさがすひび

にどとかなわぬこい
すぎさりしはるのぬくもり
かれゆくはなへと
ゆきがふりつもる

よんでもかえらぬひと
ふゆのしじまにひとみはぬれ
するりとてをはなして
とおくたびだつとりよ

きせつがほころべば
このにわにはながさくでしょう
だけれどあなたは
けしてもどらない


まどからふくかぜが
はるのけはいをはこぶころ
むじゃきなわかばが
めをほそめわらう

あなたはいうのでしょう　あぁ
どんなゆきもはるにはとけ
いのちはまたあいをうたい
そしてつづくのだと

ひかりとわをえがいて
ちいさなにわにおりたつはね
ふたりがあいしたばしょ
あなただけがいない