「人と獣の相容れぬ運命、ずっとわかってた…わかってたことなのに…」

村の外れた場所に
佇む小さなお家
そこにいた獣の男
ふとした瞬間に
恋の実が落ちた

「夕暮れ時、私は夕食に使う木の実を取りに出ていた。
そこに現れた獣の男。
私は最初は嫌悪感を顕にしていたのだけれど
彼はその事を意に介さずに
私のために木の実の取れるところを案内してくれた。」

その日から村に隠れて
外れの家へと通ってく
彼の扉は私を拒まずに
私の事を受け入れてくれた

貴方と過ごすうちに心は
穏やかに燃えてゆく
この心に宿る恋の炎
貴方を巻き込んで燃やしたい

「最近のお気に入りは、彼の作る木の実シチュー
素朴な味わいで愛を感じる。
肉食獣のような見た目なのに
彼はお肉が嫌いみたいで
そんなところも愛おしく思い始めたところで
私と、彼は…」

金属の擦れる音が村を取り囲んだ
男達の虚勢を張った声(いさましいおたけび)

「悪魔付きを殺せ!」

私は急いだ彼の元へ
彼は変わらず招きいれてくれた
悪い知らせを伝えたところで
貴方は耳にしちゃいない

村の為を思うから
俺はここにいちゃいけない
君は僕を愛しているならば
君は逃れて…

「娘を拐かす悪魔め!」

目の前が赤に染まる
それはとても悲しい色
目の前に倒れる大切な人
優しい顔だけど苦しそう

マリオネットのように村に連れ返された私は
生きる意味をただわからずに
彼の言う通り…

「彼の言葉を信じて生きてみたけれど
やっぱり生きてみても前以上に幸せなんて事はなかった
貴方の元に旅立とうとしたけれども
何か心がそれを止めてしまって
世の中を呪う言葉を抱きながら
あなたの夢を見続けている。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夢を見るという事

思ったことを思ったままに
Twitterのタグで募ったテーマから「異形の恋人」

閲覧数:148

投稿日:2015/10/31 11:03:16

文字数:717文字

カテゴリ:その他

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