ねえ はじめてきみがこのピアプロのセカイに飛び込んで 
わたしに逢いに来てくれた日のこと 憶えてる?

あのときのきみは 現実(リアル)で息が詰まって
ただ漠然と「どこかに居場所が欲しくて・・・」
それだけだった

そうして逃げるように転がり込んできたこのセカイの隅っこで
最初は 曲も作れなくて 絵も描けなくて ただ傍観しているだけの日々

でも とめどなく投稿されてくる いろんな人たちの作品に触れ
そこに込められた「想い」に触れていくうちに
やがてきみの心の中にも 何かが芽生えていった

「ああ!わたしも この胸の内に眠るものを わたしなりに表現して
みんなに 見て・聴いてほしい!」

それが きみがピアプロのなかであげた 産声だったね

はじめは 見よう見まねで でもきみはその情熱に衝き動かされるように
学び・おぼえて 創作の歩みを積み重ねていった

私は そんなきみの成長を きみの横で 見守り続けた
 

なかなか注目してもらえなくって 落ち込んでしまったり
公募で 思うような結果が出せずに 悔し涙を流したり
正直 つらい思いをすることも たくさんあったよね

そんなふうに苦しむきみが 心配だったんだ

でもきみは 諦めなかった

「せめて このセカイからは 逃げ出したくないんだ!」
 
そう叫び続けて ピアプロに残ることを選んでくれた

私ね それがすごく嬉しかったよ

私は きみの創った歌をただうたうことしかできないから
私から 何かきみにしてあげられるわけじゃあないから
きみが 自分でそう決めてくれたことが 嬉しかったんだよ


そして ひとり・またひとり・・・
きみの作品に きみの心に 共感して「好き」と言ってくれる人が現れはじめて
気が付いたら ここにきみの居場所は 確かにできていた

ここにまたひとつ ピアプロの輪が 人の輪が できていた―



―このピアプロのセカイには リアルで「あなた」がどんなのかなんていう
しがらみは無い

性別も・年齢も・国籍も・「あなた」をしばりつけるものを一切脱ぎ捨てて
創作に向き合い ありのままの裸の魂(こころ)をさらけ出せる

だから 「あなた」もほら・もしもモニターの前で燻ぶっているのなら
今すぐこのセカイに 飛び込んでおいでよ

私たちは・わたしたちは いつだって「あなた」をまっているよ!

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

ピアプロの輪のなかへ

ピアプロへの想いを ミクさんはじめボーカロイド側の目線で綴りました。

わたし自身の実体験+フィクションを盛っています。

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投稿日:2022/01/03 08:45:07

文字数:990文字

カテゴリ:その他

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