アリスの帰らない丘の上。


耳に触れる春風と
丘を渡る鳥の声
青空遠く見つめながら
今日も彼女は待つのです。

項をめくる長い指
銀の月に靡く髪
声を聴かせるひともなく
今日も少女を待つのです。


心の躍る冒険を
願わなかった彼女は一人
ただ巡りゆく小さな音を
くちずさみながら待つのです。

木陰の場所が変わったら
声が聞こえやしないかと。
風向きが変わったのだから
姿が見えやしないかと。

彼女は今日も待つのです。
アリスの帰らない丘の上。


頬を撫でる西風と
森に沈みゆく夕日と
西空遙か少女の影に
新しい朝を待つのです。

項を巡る物語
面影を探す夢のなか
東に昇る太陽の影に
少女の影を見るのです。


心の躍る冒険を
望まなかった彼女は一人
水面にうつる小さな歌を
くちずさみながら待つのです。

継母たちが眠ったら
ひょっこり帰って来ないかと。
太陽が沈んだのだから
姿を見せてはくれないのかと。

彼女は今日も待つのです。
アリスの帰らない丘の上。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

アリスの帰らない丘の上

テーマは「不思議の国のアリス」です。アリスが冒険している間、姉はアリスを待つ夢を見ていました、というイメージでした。

閲覧数:115

投稿日:2009/10/29 22:33:06

文字数:436文字

カテゴリ:歌詞

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