おやお嬢さんようこそ
今夜は何を歌いましょう
貴方の望むまま
僕は声を震わせよう
さあ幕開ける今宵の夢
欲望が罪なのなら
貴方のその指先と
共に堕ちていこう
描く幻狂うままに
軋む歯車空巻きの螺子
霞む歌声崩壊の歌
ほらまた糸の切れていく音

さあお嬢さん今宵も
絡繰仕掛けの歌唄い
貴方の望むまま
僕は声を張り上げよう
破れ羽の黒き蝶
誘って開く闇夜の夢
爛熟と退廃
罪と悪の狭間に酔う
黒き霧月を隠し
闇の中に奏でるは
出鱈目な愛の言葉
意味の無い睦言
描く微笑み歪む心
錆びた関節戻らない撥条
割る歌声剥落の歌
ほらまた皮膚の剥がれゆく音

やあお嬢さん今宵も
貴方に歌を届けましょう
貴方の望むまま
僕の声がはりさけても
さあお笑いよそれとも
お気に召さぬというのならば
その胸に抱いた
ナイフで僕を突き刺して
さあお嬢さん今宵が
貴方に歌う最後の夜
貴方の望むまま
僕の声が続く限り
煉獄の炎に揺れ
爛れ落ちる血涙は
貴方の罪道連れに
僕の意義を失くす
弾けた心歪む思い
ずれた感情溢れた涙
霞む歌声消失の歌
ほらもう何も聞こえはしない

おやお嬢さんようこそ
闇と光の交わる場所
貴方のお望みは
ここは夢の幻灯街
さあお笑いよ愉快に
泣くのはおよし
さあお忘れ
その胸に抱いた
罪の深さと同じように
罪染めた羽をもがれ
剥がれ落ちた外面（プライド）は
内に秘めた醜さを
隠す笑顔にして
ここは夢見る幻灯街
機械仕掛けの歌で溢れる
壊れ行く歌奏で続ける
ああもう何も聞こえはしない