朝日を見て涙するぼくらの夜

ぼくらは優しい夜に抱かれて
怯えながらいきているよ

静かの夜にぼくらは憩う
誰もが眠るこの優しい時に

ぼくらが願うは安寧　苦痛が消えた世界の黎明
紡ぐ拒絶の声明　静かな夜の声なき慟哭
見えない未来の肖像　癒えない痛みの生　果てないぼくらの逃走
あらゆる現実からぼくらは目をそらしている

いつか眠りに落ちて　怖い朝が来る

眠りたくなんかない
傷つくのが怖くて
朝なんか来なければいい
ずっと　ずっと　ずっと

ぼくらはある日確かめた　このままずっと眠らなければ
朝は来なくて優しい夜に包まれたままなのかなって
でも　もちろんそれは幻想で　
窓から射し込む光が　あまりにもきれいで眩しすぎて
感動と絶望の矛盾に心が軋みを上げ
救いが欲しくて
そっと目を閉じた

来ない明日はない
この夜は永遠にはならない
ぼくらの願いは叶わない

そしてぼくらは決意した　ぼくらの望む夜がないのなら
この苦しくて嫌な朝に永遠のさよなら
もう終わりにしようって
お互いの首に手をかけて　少しずつ力を入れていって
最後のふれあいは冷たくて痛くて哀しすぎて

　やっぱり、まだ――

ぼくらは死を振り払った　朝がどれだけ嫌で怖くても
死の暗闇は夜と違って少しも優しくない
ただぼくらを飲み込むばかりで

朝が、怖くても
きみは泣きながら笑って　そっとぼくの前に手を差し出し
力なく手を取り朝日が射す窓を見つめて
救いがなくても
ぼくらはここから
朝日に向かって
いきていくよ

声もなく泣きながら